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スクラッチ・パッケージなど開発手法の違いとは?導入スピードや業界別のおススメもご紹介!

 

システム開発の現場においては、開発手法として

「スクラッチ」「ローコード」「ノーコード」「パッケージ」など様々な種類があります。

また、「開発」や「ソフトウェア導入」に相対する方法として、クラウド型SaaS(サース)というものもあります。

現状のやり方をDX化して自社でシステムを導入したいと考えたとき、どのやり方を選択するのが適切なのか?

それぞれ初期費用や導入スピードの違いもあるので、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。

後半では業界別におススメの導入例もご紹介しますので、参考にしてみてください。

✅それぞれの用語の説明

まず最初に、

  1. スクラッチ(フルスクラッチ開発)
  2. ローコード開発
  3. ノーコード開発
  4. パッケージ導入

についてそれぞれ説明していきます。

🔧 スクラッチ(フルスクラッチ開発)

定義:

  • ゼロからすべてプログラムでシステムを構築する方法。
  • 要件に合わせて完全にオーダーメイド開発

特徴:

  • 自由度・柔軟性が非常に高い
  • コスト・時間・専門性が必要
  • フルスタックエンジニアや専門チームが必要
  • 独自の業務要件・複雑な処理に最適

🧱 ローコード開発(Low-code)

定義:

  • 基本はGUI※で開発しつつ、必要に応じてコードを書ける開発手法。
  • エンジニア向けで、開発効率を大幅に向上。

特徴:

  • 開発効率が高い
  • カスタマイズ性もある程度確保
  • 複雑なシステムにも対応可能
  • 中〜大企業の業務改善に多く導入

※GUI・・・Graphical User Interface グラフィカルユーザーインターフェースの略。アイコンやボタンなどのグラフィック要素を使って視覚的に操作できるユーザーインターフェースのこと。直感的な操作が可能になり、専門知識がなくても比較的簡単に操作できる。

🧩 ノーコード開発(No-code)

定義:

  • 一切コードを書かずにGUIでアプリやワークフローを作成する手法。
  • 非エンジニアでも使える

特徴:

  • 誰でも使える(プログラム知識ゼロでOK)
  • 開発・導入スピードが非常に速い
  • カスタマイズや拡張性は限定的
  • 主に小規模・簡易な業務やツールに向いている

パッケージ導入(Package)

定義:

  • すでに出来上がっているソフトウェア(パッケージ製品)を導入する方法。

特徴:

  • 導入が速く、費用も比較的安価
  • サポート体制が整っていることが多い。
  • 自社業務に完全にはフィットしない場合がある。
  • カスタマイズするとコスト増加&制限がかかることも。

🧭 4つの開発・導入手法の比較まとめ

項目 スクラッチ開発(フルスクラッチ) ローコード開発 ノーコード開発 パッケージ導入
🔧 開発方法 ゼロからオリジナルで開発 GUI中心+一部コーディング GUI操作のみで開発 既製ソフトを導入
💻 プログラミング 必須 最小限(複雑な部分のみ) 不要 不要
🛠 柔軟性・自由度 △(製品の仕様に依存)
🕒 開発・導入スピード 遅い 早い 非常に早い 非常に早い
💰 コスト 低〜中程度 中程度(ライセンス費)
👤 開発者 エンジニアチーム エンジニア中心 非エンジニアでも可 IT担当 or ベンダー
🔄 カスタマイズ性 △ オプションで対応可能
🔌 拡張・連携 △(製品仕様に依存)
📈 主な利用用途 複雑業務・独自性の高いサービス 業務改善、社内システム開発 プロトタイピング、業務簡易化 汎用的な業務(会計、人事など)
🧩 代表例 自社開発、オーダーメイドシステム Power Apps、OutSystems Glide、Bubble、Airtable SAP、弥生、奉行シリーズなど

☁️ クラウド型SaaSとは?

SaaS(サース)=「Software as a Service」の略。

「クラウド型SaaS」とは、ソフトウェアを「買って使う」のでなく、インターネット経由で「借りて使う」形態。

クラウドサーバー上に構築されたソフトウェアを自分のパソコンにインストールするのではなく、

クラウド上にあるアプリケーションにブラウザなどでアクセスして利用します。

なので、上記4つの開発手法と異なりシステムを自社で購入するわけではありません。

🎯 特徴

以下、SaaSの主な特徴と、参考にパッケージ導入・フルスクラッチ開発との違いも表にしておきます。

特徴 説明
✅ インストール不要 ブラウザでアクセスするだけ
✅ 定期課金(月額/年額) 利用料金はサブスクリプション制。初期費用が抑えられる
✅ 常に最新版を利用可能 アップデートは自動で、常に最新機能が使える
✅ 導入が速い 登録後すぐに利用開始できるケースが多い。
✅ 拡張性・連携性 他のクラウドサービスやAPIと連携しやすい。
✅ セキュリティは事業者依存 利用者側でインフラ管理は不要だが、信頼できる事業者の選定が重要。

🆚 パッケージ・フルスクラッチとの違い

項目 SaaS パッケージ フルスクラッチ
利用形態 サブスク(ネット経由) ソフト購入(インストール) オリジナル開発
初期費用 安い 中程度 高い
導入スピード 早い 普通 遅い
カスタマイズ性 低い〜中 中〜高 非常に高い
保守・運用 提供会社が対応 一部自社 or 提供元 自社または開発ベンダーが対応
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業界別おすすめ開発アプローチ

最後に、主要な業界別のおすすめ開発アプローチをまとめます。

業界ごとに業務内容やITリテラシー、必要な柔軟性が異なり、最適な開発手法は分かれる傾向があるので、

参考にしてみてください。

🏭 製造業

項目 内容
特徴 工場・現場のデータ連携、在庫・生産管理など、個別最適の要素が強い
おすすめ ローコード / スクラッチ
理由 現場に合わせた業務改善が多いため、柔軟性の高い開発が求められる
生産計画システム、IoT連携、品質管理システムなど

🏦 金融業(銀行・保険など)

項目 内容
特徴 高いセキュリティ、複雑な計算処理、厳格な規制対応
おすすめ スクラッチ / パッケージ(金融特化)
理由 高度な要件と信頼性が求められるため、堅牢で制御可能な環境が重要
勘定系システム、リスク管理、AML対策、顧客ポータルなど

🏢 一般企業(営業・人事・経理などの管理部門)

項目 内容
特徴 汎用業務が多く、IT人材も限られることが多い
おすすめ ノーコード / パッケージ  / SaaS
理由 既製のSaaSやパッケージが多く、コストと導入スピード重視
勤怠・給与・経費・CRM・SFA・グループウェアなど

🏥 医療・介護・福祉業界

項目 内容
特徴 法制度や診療報酬制度に強く依存、現場主導の業務が多い
おすすめ パッケージ / ローコード
理由 医療用ソフトが既に整備されており、特化型パッケージが多く存在
電子カルテ、介護記録、予約管理、レセプトソフトなど

🛍 小売・サービス業

項目 内容
特徴 店舗・在庫・接客・ECなど多岐にわたる業務とスピード感が重視される
おすすめ パッケージ / ノーコード / SaaS
理由 多店舗展開や業務標準化にはパッケージ、運用現場の改善にはノーコード/SaaSが有効
POS連携、顧客管理、クーポン発行、在庫管理、売上分析など

🎓 教育機関・自治体・公共機関

項目 内容
特徴 法制度や予算に縛られた運用、業務は似通っているが柔軟性も必要
おすすめ パッケージ / ノーコード / ローコード / SaaS
理由 標準的なシステム+現場の業務改善ニーズの両方に対応できる手法が有効
出欠管理、施設予約、アンケート収集、情報公開ポータルなど

💬 まとめ

  • 標準化・法対応が重視される業界 ➡️ パッケージ中心

  • 現場ごとに最適化が必要な業界 ➡️ ローコードやスクラッチが有利

  • スピードと簡便性が重視される現場 ➡️ ノーコードやSaaS が活躍


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