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システム開発の3つの系統とは?オープン系・Web系・汎用系の違いについて解説!

 

システム開発における開発手法においては、大きく3つのカテゴリー

「オープン系」「Web系」「汎用系」に分けることができます。

それぞれの言葉が何を指すのか、近年多用される傾向も変化してきているので、

基本的知識として開発担当者は知っておく必要があるでしょう。

この記事ではそれぞれの用語の意味と、イメージしやすいようにそれぞれの手法を用いた

具体的な開発事例もご紹介していきます。

🖥️ オープン系システムとは?

まず最初にオープン系システムについて解説していきます。

オープン系システムは、主にUNIXやLinux、WindowsなどのオープンなOS環境で動作する

業務システムのことを指します。

つまり、この3つはそれぞれどのプラットフォーム(ソフトウェアやハードウェア、サービスを

動かすための基盤となる環境)上で動作するシステムなのか、という違いを表しています。

オープン系システムは、LinuxなどのオープンソースのOSやWindowsのような汎用的な

システム上で開発されるシステムのことです。

この後解説する汎用機(メインフレーム)に対して、比較的安価なサーバーや

PCベースの環境で構築されるのが特徴です。

特徴

✅ プラットフォームがオープン(公開されている一般的なOSやミドルウェアを利用)

✅ クラウドやオンプレミス、仮想環境など柔軟に対応可能

✅ ネットワークやWeb、APIなど最新技術との連携がしやすい

✅ コスト面で汎用機より安価

✅ ソフトウェアの自由度が高く、開発しやすい

主な利用分野

  • 企業の基幹業務(販売管理、人事給与、財務会計など)

  • 顧客管理(CRM)、営業支援(SFA)システム

  • Webアプリケーションのバックエンド

  • モバイルアプリのサーバー側

メリット・デメリット

メリット デメリット
比較的コストが安く導入しやすい 大規模トランザクション処理では汎用機に劣る
技術者が多く、情報・ツールが豊富 システムの安定性や信頼性は設計次第
最新技術を利用しやすい(クラウド連携など) セキュリティ対策は自社でしっかり行う必要あり

オープン系システム開発 事例紹介

製造業向け生産管理システム(例)

概要:中堅製造メーカーが工場の生産工程を効率化するために導入したシステム。

   生産計画の作成から在庫管理、出荷までを一元管理

使用技術(例): OS:Linux  言語:Java  DB:PostgreSQL、

          Webサーバー:Apache Tomcat  フレームワーク:Spring Framework

特徴・ポイント:

  • 既存の工場設備と連携してリアルタイムで生産データを収集。
  • 生産遅延の予測とリソース最適配置機能を搭載。
  • UIはWebベースで、工場内のPCやタブレットからアクセス可能。
  • クラウドにデータをバックアップし、災害対策も実施。

Web系システムとは?

続いて、Web系システムについて解説します。

こちらはインターネットや社内ネットワークのWebブラウザ上で動作するシステムのことです。

ユーザーはブラウザからアクセスし、サービスを利用します。

オープン系や汎用系と違い、独自に開発する必要がなく、頻繁にアップデートを行い機能更新する

ことが可能です。

その導入しやすさ、ユーザビリティの高さから近年、スマホアプリのバックエンドも含めて

非常に多くの分野で使われています

注意点としてはネットワークに依存し、セキュリティ対策は必要となるため、

金融系などの高い信頼度が必要な業務には不向きです。

特徴

✅ ブラウザがユーザーインターフェース(UI)

✅ インストール不要で、PC・スマホ・タブレットからアクセス可能

✅ インターネット経由で広範囲に提供可能

✅ 動的なコンテンツ生成やユーザー認証が可能

✅ クラウド環境やコンテナ技術と相性が良い

✅ 開発サイクルが短く、頻繁なアップデートが可能

主な利用分野

  • SNS、ポータルサイト、ブログなどのWebサービス

  • ECサイト、オンラインショップ

  • 予約システム(ホテル、飲食、病院など)

  • SaaS(Software as a Service)型の業務アプリケーション

  • モバイルアプリのAPIバックエンド

メリット・デメリット

メリット デメリット
どこでもアクセス可能(場所・端末不問) ネットワーク障害時に使えない
更新が容易で即時反映可能 セキュリティ対策が重要
多彩なユーザーインターフェース実装可能 高負荷時のスケーリング設計が必要
モバイル対応しやすい 開発技術の幅が広く学習コストがかかる

Web系システム開発 事例紹介

オンライン予約システム(例)

概要:飲食店チェーン向けの予約管理システム

   ユーザーがWebから席予約、店舗が予約状況を管理できる

使用技術(例):フロントエンド言語:Vue.js  バックエンド言語:Ruby on Rails

         DB:PostgreSQL  Webサーバー:Nginx

特徴・ポイント:

  • リアルタイムの空席情報更新。

  • メール通知機能とキャンセル待ち管理。

  • 店舗別に管理画面を分け、業務効率を向上。

  • 高トラフィックを考慮した負荷分散設計。

汎用系システムとは?

最後に、汎用系システムについてご説明します。

汎用系システムは、汎用機(メインフレーム)で動作するシステムで、

汎用機とは大中企業など大きな組織の基幹情報システムを稼働させる、

ハードウェアとOSからなるコンピュータのことを指します。

IBMのメインフレームなどがあり、大規模で高信頼性が求められる業種で使用され、

特に金融、保険、官公庁の基幹業務システムに多く使われています。

今のような小型のコンピュータが登場する前までは主流だった大型のコンピューターで、

メインフレーム事業も業界として縮小傾向にあることから、

近年はオープン系システムへの移行も増えています。

特徴

✅ 高い信頼性・可用性が必須(24時間365日稼働)

✅ 大量のトランザクション処理に強い

✅ セキュリティレベルが非常に高い

✅ 古くから使われており、COBOLなどのレガシー言語で開発されることが多い

✅ ハードウェア・OSはメインフレーム専用(z/OSなど)

✅ 近年はオープン系システムへマイグレーションも増加中

主な利用分野

  • 銀行の口座管理・振込処理

  • 保険会社の契約管理・保険金支払い処理

  • 公共機関の年金・税務システム

  • 大手企業の基幹業務処理

メリット・デメリット

メリット デメリット
高信頼性・高可用性 開発・保守の技術者が減少している
大量トランザクションに強い 新規技術への対応が難しい場合がある
セキュリティが強固 開発環境が古く学習コストが高い
長期安定稼働が可能 保守コストが高い

汎用系システム開発 事例紹介

大手保険会社の契約管理システム(例)

概要:長年稼働しているCOBOLベースの契約管理システム。

   保険契約の登録、変更、解約処理を行い、大量のトランザクションを高速に処理

使用技術(例):OS:IBM z/OS  言語:COBOL

         DB:DB2  ミドルウェア:CICS

特徴・ポイント:

  • 24時間365日稼働の高信頼システム。

  • 複雑な業務ルールを正確に実装。

  • 定期的な保守と機能追加で長期運用。

  • 操作端末はIBM 3270のCUI環境。

地方銀行の勘定系システムの移行(例)(汎用系→オープン系システム)

概要:旧汎用系の勘定系システムは老朽化し、保守技術者も減少。

   将来的な運用コスト削減と柔軟な機能拡張を目的に、オープン系への全面刷新を計画。

移行内容(例):端末操作:Web UIに刷新  言語:COBOL→Java

          DB:DB2→PostgreSQL    トランザクション管理:ミドルウェアで代替

        リアルタイム処理(一部):バッチ処理に切り替え

特徴・ポイント:

  • 運用コストの大幅削減
  • 新機能の追加が迅速に対応可能に
  • ユーザーインターフェースが大幅に改善

オープン系・汎用系・Web系システムの比較まとめ

項目 オープン系システム 汎用系システム Web系システム
概要 LinuxやWindowsなどの汎用OS上で動く業務システム IBMメインフレームなどの汎用機上で動く大規模システム ブラウザを通じて提供されるインターネット/イントラネット系システム
主なOS Linux、Windows Server、UNIX z/OS(IBMメインフレームOS)、VOSなど Linux、Windowsなど(サーバーOS)
開発言語 Java、C#、Python、PHPなど COBOL、PL/I、RPG JavaScript、Java、Python、Ruby、PHPなど
DB Oracle、MySQL、PostgreSQL DB2、IMS、VSAM MySQL、PostgreSQL、MongoDB、Redisなど
特徴 比較的安価で導入しやすい ・高信頼性・高可用性、トランザクション処理に強い ・ユーザーがブラウザからアクセス、即時更新が可能
・クラウド・最新技術を取り入れやすい ・基幹業務に強い ・UI/UX重視、マルチデバイス対応
・技術者が多い、情報が豊富 保守技術者が減少傾向 ・頻繁な機能追加・アップデートが可能
利用分野 企業の基幹業務、販売管理、人事、会計など 銀行の勘定系、保険契約管理、公共機関のシステム ECサイト、予約システム、SNS、SaaS型サービス
運用形態 クラウド、オンプレミス、仮想環境など柔軟 大型の専用機で24時間365日稼働 クラウドやコンテナ環境でスケールしやすい
メリット ・コストが抑えられ、開発がしやすい 安定性・信頼性が高い ・アクセスの柔軟性と更新速度が速い
・最新技術との親和性が高い 大量処理やトランザクション処理に適している ユーザビリティが高い
デメリット ・大規模トランザクションでは汎用系に劣る場合がある ・レガシー技術が多く、開発・保守が難しい ・ネットワーク依存、セキュリティ対策が必須
・設計・運用の技術力が求められる コストが高く、技術者の確保が難しい ・高負荷時のスケーラビリティ設計が必要

システム開発ナビのコンサルタントについて

いかがでしたでしょうか?

汎用系システムは保守コストもかかることから、オープン系システムへの移行が近年では増えていますが、

高い安全性が求められる業務ではいまだに必要とされています。

 

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