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システム開発における日本と海外の違い・オフショア開発の国別の特徴は?システム開発における日本と海外の違いとは?

システム開発において「日本」と「海外(特に欧米諸国やインドなど)」では、どのような違いがあるのでしょうか。

日本企業がオフショア開発を活用する際のポイント・国別の特徴なども併せて解説します。

まずは日本と海外におけるシステム開発環境の違いについて見てみましょう。


システム開発 特徴 システム開発における「日本」と「海外」の違い

開発プロセスのアプローチ

項目 日本 海外(例:アメリカ、欧州、インド)
開発手法 ウォーターフォール型が依然多い(計画重視) アジャイルやDevOpsなど柔軟な手法が主流
ドキュメント 非常に重視。詳細設計書などが必須 最小限に抑え、動作するソフトウェアを重視
品質保証 品質第一。テスト工程が長い傾向 スピード優先。継続的インテグレーション/デリバリー活用

働き方・文化

項目 日本 海外
働き方 長時間労働が残る傾向。チームワーク重視 ワークライフバランス重視。個人の自立性を重視
コミュニケーション 暗黙知や空気を読む文化 明確な指示とフィードバック文化
上下関係 年功序列・階層型 実力主義・フラットな組織が多い

エンジニアの役割・スキル

項目 日本 海外
スキル範囲 幅広く担当する傾向(ジェネラリスト志向) 専門分化が進んでいる(スペシャリスト志向)
キャリアパス SE → PM → 管理職などが一般的 技術スペシャリストとして高待遇も可能
英語力 海外に比べてやや不足 グローバル対応を意識して必須スキル
項目 日本 海外
開発コスト 高め(人件費、工程管理など) インド・東欧などではコスト削減可能
スピード 計画通り進めるため遅くなることも MVP開発やリリース重視で高速展開
項目 日本 海外
顧客対応 顧客第一主義。無理な要望も対応しがち 要件外は契約通り断ることが一般的
契約形態 請負契約が主流 アウトソーシング・準委任契約が多い

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次に、✅オフショア開発を活用した場合の具体的な開発事例と、✅日本企業がオフショア開発を活用する際のポイントを解説します。


 具体的な開発事例

事例①:日本企業 × オフショア開発(ベトナム)

企業タイプ:中堅SIer

開発内容:業務システム(会計・在庫管理)

体制:要件定義と上流工程は日本、開発と単体テストをベトナムチームに委託

成果:コストを約40%削減

   品質面でレビュー・再修正が多発 → 「設計書の明確化」「コードレビュー体制の強化」で解決

教訓:言語・文化の違いを意識したコミュニケーションルールが重要(英語や図表の活用)

   日本側PMが適切に橋渡し役(ブリッジSE)を担う必要がある


事例②:グローバル製品開発(スタートアップ × 欧米エンジニア)

企業タイプ:日本のITスタートアップ

開発内容:SaaS型プロダクト

体制:日本側がプロダクトマネージャー、開発はウクライナとポーランドのチームに委託

成果:MVPを3ヶ月でローンチ → 海外チームのアジャイル対応が好評

   Slack・Jira・Figmaなどで効率的に非同期連携

教訓:仕様書よりもプロトタイプ中心のやり取りが効果的

   毎週の定例MTGとチャットの即レス文化が成否を分けた


システム開発 ポイント 日本企業が海外開発を活用する際のポイント

観点 ポイント
🌍 言語・文化 英語ベースで明確なコミュニケーションを。ブリッジSEの配置がカギ
📑 仕様・成果物 曖昧な指示を避け、画面イメージや業務フローを明確化
🕒 時差管理 毎日の同期は難しい → スクラムやカンバンで進捗管理を自動化/見える化
📦 セキュリティ ソースコード管理(GitHub, GitLab)やVPN環境の整備が必須
💰 コスト管理 「安い=得」ではない。品質・リスク・修正工数も含めた総コストを考慮すべき
🤝 信頼関係 最初の案件は「試験的」に始め、信頼できるパートナーかを見極める

💬 補足:向いている案件・向かない案件

向いている 向かない
明確な仕様がある定型業務システム 要件が曖昧 or 顧客との頻繁な調整が必要な案件
プロトタイプ開発や短期MVP 顧客対応が頻繁に求められるB2B案件
テスト・保守・運用フェーズ 初期フェーズの企画・要件定義だけで進まないプロジェクト

以下に、オフショア開発でよく使われる6ヶ国(インド / ベトナム / フィリピン / 中国 / ポーランド / ウクライナ)の特徴比較を表にまとめて解説します。

🌐 国別の特徴比較表(2025年時点の傾向)

項目 🇮🇳 インド 🇻🇳 ベトナム 🇵🇭 フィリピン 🇨🇳 中国 🇵🇱 ポーランド 🇺🇦 ウクライナ
開発コスト やや安い〜中程度 安価 安価 中程度 中〜高め 安価〜中程度
英語力 非常に高い(業務に支障なし) 中〜高(若手は良好) 高い(BPO向き) 中(英語話者は限定的) 高い(欧州基準) 中〜高(IT人材に多い)
技術力 高い(AI、クラウド、Fintech等に強み) 安定・着実(業務系に強い) Webやテスト系が中心 高い(但し政治的リスクあり) 高く近年成長著しい 優秀な技術者が多い
開発手法 アジャイル・DevOpsに慣れている アジャイル対応進行中 ウォーターフォール寄り ウォーターフォール文化が根強い アジャイルに非常に適応 アジャイル適応高い
タイムゾーンの近さ 日本と約3.5時間差 日本と約2時間差 日本と約1時間差 1時間差 7〜8時間差 6〜7時間差
言語・文化の相性 欧米寄り。直接的なコミュニケーション 日本文化に比較的親和性高い 丁寧・柔らかいコミュニケーション 文化的に距離あり 欧州型で合理的・フラット 欧米寄りで論理的
政治・安全リスク 安定 安定 安定 政治的規制の懸念 安定(EU加盟) 戦争リスク(※リスク評価が必要)

📝 国別コメント

🇮🇳 インド

  • 世界最大のオフショア開発国。アクセンチュア、インフォシス、TCSなど世界的企業も多数。

  • 英語力・技術力ともにトップレベルだが、離職率が高いのが課題。

🇻🇳 ベトナム

  • 日本企業との相性が良く、オフショア先として急成長。

  • 若手エンジニアの質も高く、価格と品質のバランスが良い。

  • ブリッジSEとの連携が鍵。

🇵🇭 フィリピン

  • BPO(コールセンターなど)で世界的シェア。英語力は非常に高い。

  • システム開発の規模ではやや小さいが、テストや保守に向いている。

🇨🇳 中国

  • 技術力は非常に高く、AI・IoTの分野は世界トップ。

  • ただし政治的リスクや知財リスクを懸念する企業もあり、採用には注意。

🇵🇱 ポーランド

  • EU内でIT人材の宝庫。特にFintechやセキュリティに強い。

  • 時差があるが、品質重視のプロジェクトに最適。

  • GitHub上でも上位の開発者数。

🇺🇦 ウクライナ

  • 戦争中ながら、遠隔で活動継続する優秀な技術者が多い。

  • コストパフォーマンスが高く、欧米企業も多く採用。

  • 政治リスクを理解した上で選定する必要あり。


🎯 用途別おすすめ

用途 おすすめ国
安価に安定した業務システムを開発したい ベトナム、フィリピン
AI・クラウド・先進的技術の活用 インド、ウクライナ
セキュリティや品質重視のプロジェクト ポーランド
オンライン英語対応・運用支援 フィリピン、インド
スピード・柔軟性を重視したアジャイル開発 ウクライナ、ポーランド、インド

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最後に、各国の代表的なオフショア開発企業を紹介します。これらの企業は、日本企業との協業実績が豊富で、品質やセキュリティにも配慮した体制を整えています。


🇻🇳 ベトナムの代表的なオフショア開発企業

1. FPTジャパンホールディングス株式会社

  • 概要:ベトナム最大手のIT企業「FPTコーポレーション」の日本法人。デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるソフトウェア開発を提供。

  • 特徴:AI、IoT、クラウド、AR/VRなどの先端技術に対応。TMMiレベル5認証を取得した品質管理体制を有する 。

2. 株式会社VTIジャパン

  • 概要:金融、建設、小売、運輸など多岐にわたる業種で事業成長を実現するワンストップ・ソリューションを提供。

  • 特徴:クラウドコンピューティング、AI、IoT、機械学習などの最先端技術を駆使し、大規模かつ複雑なプロジェクトに対応できる高度な人材を提供 。

3. TCOM JAPAN

  • 概要:ベトナムに本社を置くTCOM社の日本法人。オフショア開発やITコンサルティングを中心としたソフトウェア開発企業。

  • 特徴:ISO27001およびISO9001を取得し、高い品質管理と情報セキュリティを強みに、AWSやAzure、GCPといったクラウド移行からDX推進、AI・ブロックチェーン・IoTなど最先端技術を活用したソリューションを提供 。


🇮🇳 インドの代表的なオフショア開発企業

1. Tata Consultancy Services (TCS)

  • 概要:インド最大手のITサービス企業で、世界中の企業に対してITソリューションを提供。

  • 特徴:幅広い業種に対応し、グローバルな開発拠点を有する。

2. Infosys

  • 概要:インドの大手IT企業で、ソフトウェア開発、システムインテグレーション、ITコンサルティングなどを提供。

  • 特徴:先端技術への対応力が高く、グローバルなプロジェクト経験が豊富。


🇵🇭 フィリピンの代表的なオフショア開発企業

1. Pointwest Technologies

  • 概要:フィリピンのITサービス企業で、ソフトウェア開発、システムインテグレーション、BPOなどを提供。

  • 特徴:日本市場向けのサービス提供経験が豊富で、文化的な相性も良好。


🇨🇳 中国の代表的なオフショア開発企業

1. Huawei Technologies

  • 概要:中国の大手通信機器メーカーで、ソフトウェア開発やクラウドサービスなども提供。

  • 特徴:先端技術への対応力が高いが、政治的リスクや知的財産権の懸念があるため、慎重な選定が必要。


🇵🇱 ポーランドの代表的なオフショア開発企業

1. SoftServe

  • 概要:ウクライナ発祥のITサービス企業で、ポーランドにも拠点を持つ。

  • 特徴:AI、クラウド、セキュリティなどの先端技術に対応し、欧州市場向けのサービス提供経験が豊富。


🇺🇦 ウクライナの代表的なオフショア開発企業

1. Intellias

  • 概要:ウクライナのITサービス企業で、ソフトウェア開発、システムインテグレーション、コンサルティングなどを提供。

  • 特徴:欧米市場向けのサービス提供経験が豊富で、優秀なエンジニアが多く在籍。


各国の企業は、それぞれの強みや特徴があります。プロジェクトの内容や規模、求める技術要件、予算などに応じて、最適なパートナーを選定することが重要です。

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