システム開発におけるベンダーとは?サプライヤーやSlerとの違いについても解説!
システム開発においてよく使われる言葉として「ベンダー(vendor)」というものがあります。
もともとの意味は、「販売業者」「提供者」という意味ですが、IT業界では具体的にどのような意味で使われるのでしょうか?
似たような言葉として、サプライヤー、メーカー、SIerなどもありますので、それらとの違いについても解説していきます。
✅ IT業界におけるベンダー(vendor)の意味
IT業界において、「システム開発ベンダー」とは、企業や組織のために
「システムの設計・開発・運用・保守」などを請け負う外部の企業(業者)のことを指します。
広く「ITサービスやソフトウェア・ハードウェアを提供する会社」という意味で使われます。
✅ ベンダーの役割
システム開発におけるベンダーの具体的な役割を見ていきましょう。
-
要件定義の支援
顧客(発注側)の業務内容や目的に応じて、どのようなシステムが必要かを整理・提案します。 -
設計・開発
ソフトウェアやシステムの設計図を作成し、プログラミングを行います。 -
テスト
作ったシステムが正しく動作するかどうかを検証します。 -
導入支援
顧客の現場へのシステム導入や、ユーザー向けのトレーニングなどを行います。 -
保守・運用
システム導入後も、障害対応や機能追加などを継続的に行います。
✅ ベンダーの種類
ITベンダーと言っても、広く「ITサービスやソフトウェア・ハードウェアを提供する会社」という意味で
使われますので、
1.SIer(エスアイアー)
2.ソフトウェアベンダー
3.ハードウェアベンダー
という様に狭義では分けられます。
それぞれの特徴について見てみましょう。
種類 | 説明 |
---|---|
SIer(エスアイヤー) | 「システムインテグレーター」の略。企業の業務に合わせたシステム全体の設計・開発・運用を請け負う。 |
ソフトウェアベンダー | パッケージソフトやクラウドサービスなど、特定のソフトウェア製品を開発・販売する会社。 |
ハードウェアベンダー | コンピュータやサーバーなどの機器を提供する会社。HPやDellなど。 |
つまり、
ITベンダー:IT製品やサービスを提供する企業の総称
(主な特徴)ハードウェア・ソフトウェア・クラウド・開発・保守など、広い意味での「提供者」
SIer :顧客の業務に合わせたシステムを企画・設計・構築・導入する企業
(主な特徴)受託開発やシステム全体の構築を請け負う「プロジェクト請負型」
ということになりますので、
業務内容に合わせて具体的にシステム開発を行う企業は、
広義:ベンダー
狭義:SIer
ということになります。
✅ 具体例で比較
具体的に大手の会社でそれぞれの役割を確認してみます。
会社名 | 分類 | どんなことをする? |
---|---|---|
NTTデータ | SIer | 銀行や自治体向けにシステム開発を請け負う |
Microsoft | ソフトウェアベンダー | OSやOfficeを提供。SIer業務はしない |
サイボウズ | ソフトウェアベンダー | クラウド業務システムを提供。個別開発は基本しない |
富士通 | SIer / ハードウェアベンダー | システム開発から自社製品提供まで幅広く対応 |
一口にITベンダーといっても、SIerの業務を行わない会社もありますので、選定には注意が必要です。